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おせち料理は「買うもの」でいい?

🎍20周年を迎えて感じる、おせち料理の大きな変化


タカコナカムラWhole Foodスクールは、来年でついに20周年を迎えます。

かつて、年末恒例の「お節料理講座」は、私の気合の入り方が違う看板講座でした。

しかしここ数年、開催すら危ぶまれることがあります。

その理由は、おせち料理が「高級料理店やデパ地下で頼むもの」に成り下がってしまったからです。


「おせちを捨てる国に未来の和食はない」

──私はこの状況を見るたびに、和食文化が消える日が来るかもしれない、という強い危機感を抱いています。


⛩️ おせち料理の本当の意味を知っていますか?

おせち料理は、決して「正月のパーティー料理」や「豪華なごちそう」ではありません。

本来は、各家庭に訪れる**「年神様へのお供え」であり、一年間家族を見守ってくれる神様へのおもてなし料理なのです。

講座でこの話をすると、「年神様ってどんな顔してるんですか?」と聞かれることも。

もちろん私も会ったことはありませんが、そんな質問が出るほど、今の日本ではその意味が消えつつあるのです。

例えば、生薬を本みりんに一晩浸して作る「お屠蘇(とそ)」の素である「屠蘇散」。

飲む順番にまで決まりがあった、かつての文化はもう知られていません。ここから和食文化を取り戻す必要があります。


🔪おせち作りは「和食の技法の集大成」

和え物、焼き物、揚げ物…おせち料理には、和食のあらゆるテクニックが詰まっています。

つまり、おせちがつくれる人=料理上級者。

実家が割烹料理店で、子どもの頃からおせち作りを手伝っていた私にとって、おせちは最も得意な料理です。

そこには、エビ(長寿)や黒豆(マメに元気で)といった、一つ一つの料理に込められた縁起物としての「うんちく」があります。

今はコンビニの「一人用おせち」を*「縁起物だからとりあえず置くため」に買い、結局食べずに捨てるケースも増えていると聞きます。ゴミが増えるだけの、寂しい状況です。


✨豪華でなくていい。家庭で残したい「我が家の味」

私がおせち料理に込める願いは、家庭でつくることです。

豪華でなくていい。2〜3品でもいい。子どもたちが巣立つ時、「これが我が家の味だったな」と思い出せるような、そんなおせちを残してほしいのです。

おせち料理のテクニックは、発酵調味料の使い方など、普段の料理にも使える知恵の宝庫です。


📣発酵・養生おせち講座のお知らせ

今年も「発酵・養生おせちの決定版!」講座を開催します!

発酵調味料を駆使したお正月レシピに加え、年末年始の身体に優しい養生食の知恵を学べます。

・講座: 発酵・養生おせちの決定版!

・日時: 2025年12月13日(土)10:00〜13:00

・メニュー例: エスプレッソ黒豆、低温調理のお煮しめ、甘酒と味噌のブリの柚庵焼き、スパイスお屠蘇など

・詳細・お申し込みはこちら


「今年初めて作ってみたい」という方、大歓迎です。日本の食文化の根っこを、一緒に未来へつなぎましょう!

 
 

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