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タカコナカムラ時々ブログ


「日本も、まだ捨てたもんじゃない」と感じた日
今回のタカコナカムラのメッセージは、福岡で開催された『集まれ!弁当の日応援団』全国大会での深い感動から始まります。子どもが親の手を借りずに自分で弁当を作る「弁当の日」運動。それは単なる料理教育ではなく、失敗を重ねながら「生きる力」と「人を思いやる心」を台所から育む場でした。 自分で上映会を企画した中学生の凄まじい情熱。そして、初代福岡校の事務局であり、タカコナカムラの大切な友人でもあった、故・安武千恵さんの娘、はなちゃんのまっすぐで素敵な成長。 不安なニュースが多い今の時代だからこそ、未来をあきらめない若い世代と、それを支える大人たちの熱いバトンタッチに、タカコナカムラが「確かに見えた」と語る希望の灯をお届けします。 ============================================== 台所には、まだ未来を変える力がある 5月16日、福岡で開催された『集まれ!弁当の日応援団』全国大会。 帰りの飛行機の中で、私はずっと考えていました。 「私は、何に、あれほど心を揺さぶられたのだろう」と。 どんなに素晴らしい想いも、人に「届け
2 日前


なぜ今、「かえし」なのか — 木桶醤油の若き蔵元たちと商品化した理由
今回のタカコナカムラのメッセージは、5月20日から阪神梅田本店で開催される「木桶による発酵文化サミット」への想いから始まります。 江戸時代、多忙な江戸っ子たちの食生活を支えた日本最古の時短調味料「かえし」。その便利さが忘れ去られようとしている今、タカコさんは3人の若き蔵元たちと共に、再び「かえし」に光を当てました。 「どれだけ良い醤油があっても、料理をする人がいなければ文化は残らない」 和食を「面倒なもの」から「ラクで楽しいもの」へ。若き職人たちと手を取り合い、一歩ずつ進んできた3年間の軌跡と、日常に遊び心を取り入れる「マイ醤油」の提案まで、今の想いをお伝えします。 ============================================== 「かえし」は、江戸が生んだ合理的な知恵 「めんつゆがあるのに、なぜ今さら『かえし』なの?」 当初、醤油の作り手たちからもそんな声が上がりました。 あまりにシンプルすぎて、その価値が見過ごされていたのです。 でも、醤油・砂糖・みりんを合わせた「かえし」こそ、 忙しい現代にこそ必要な、和食のハー
5月10日


ぬか床の先に見えたこと — 暮らしを「使い捨て」にしない生き方 —
今回のタカコナカムラのメッセージは、満席となった「ぬか床講座」から始まります。 空前の発酵ブームの裏側で、カビが出たら捨ててしまうような「使い捨てのぬか床」が増えている現状への違和感。 かつて嫁入り道具でもあったぬか床は、単なる「食品」ではなく、毎日手を入れ、家族の味を育てていく「暮らしそのもの」でした。「自分の手で食べるものをつくる感覚を取り戻したい」と願う人々が集った講座の様子とともに、台所を『我が家のファーマシー(薬局)』として再生させることの意義をお伝えします。 ============================================== 「食品」ではなく「暮らし」を育てる タカコナカムラのぬか床講座は、生ぬかから起こす、本来の姿から始まります。 手間もかかるし、決して簡単ではありません。 でも、北九州市小倉で100年続くぬか床文化が教えてくれるように、それは時間をかけて深まっていく、生き方そのものなのです。 食べるだけでなく「料理」に活かす ぬか床は、お漬物をつくるためだけのものではありません。 ・ぬか床を調味料に:たま
4月29日


台所から未来をつくる — 食べることは、未来を選ぶこと —
私たちは毎日、無意識のうちに「未来」を選んでいます。 何を買い、何を料理し、誰とどう食べるのか。 そのひとつひとつの選択が、農業を変え、環境を変え、社会を変えていく。 料理とは、ただ食事を作ることではありません。自分で選び、自分で決める力を取り戻すこと。 「台所から未来はつくられる」——。 いよいよ始まる基礎コースを前に、私が改めてたどり着いた『ホールフード』という生き方の本質について、お伝えしたいと思います。 ============================================== 料理は「自分で考える」トレーニング 今の時代、ボタンひとつで食べものが届きます。 便利だけれど、その中で私たちは「自分で決めること」を手放してはいないでしょうか。 料理は、日常の中の小さな行為です。 でも、食材や調味料を選び、どう食べるかを決める。そのすべてが自らの判断から始まります。 完璧じゃなくていい、うまくなくていい。一度自分で選び、作り、食べて感じること。 そこから、社会とどう関わるかという「暮らしの責任」が見えてくるのだと私は信じていま
4月24日


料理は生きる力。台所という名の「我が家のファーマシー」
「タカコさん、家族も喜ばないのに、なんで毎年お節を作るの?」 大先輩からのその問いに、私は思わずこう答えました。 「作らないと気が済まないんです。作らないと、年が越せない」と。自分でもおかしな答えだわ、と思いながら。 今や料理は「しなくても生きていける」時代です。でも、私にとって料理は、やらなければならないことではなく「やらないと落ち着かないこと」。台所に立ち、出汁の香りに包まれる。それだけで暮らしが少し整う——そんな、理屈ではない台所の力について改めて感じています。 ============================================== 台所は、自分を整える場所 特別なごちそうでなくてもいい。お味噌汁を作り、ごはんを炊く。 台所で包丁の音がする。 そんな当たり前の時間が、私たちの心と身体を支えています。 誰かのために作るのはもちろんですが、たとえ「ひとり飯」であっても、自分のために台所に立つ。 それは自分のカラダとココロを整えるための、大切な儀式のようなものです。 私にとって、台所はまさに「我が家のファーマシー(薬局)」な
4月18日


江戸の知恵に学ぶ、台所の合理化。万能調味料「かえし」の力
「和食は面倒」——そんな声をよく聞くようになりました。 でも、本当にそうでしょうか? かつて世界最大の都市だった江戸の料理人たちは、暇を持て余して手間をかけていたわけではありません。むしろ今の私たち以上に忙しく、だからこそ「台所の合理化」を極めた達人たちでした。 その象徴が、元祖・時短調味料の「かえし」。 この江戸の知恵をもう一度、私たちの台所に取り戻したい。それが「和食のハードル」を軽やかに飛び越える鍵なのだと、改めて感じています。 ============================================== 「かえし」が支えた江戸の食文化 江戸時代後期、蕎麦や天ぷらといった「江戸前料理」を支えたのは、あらかじめ醤油・砂糖・みりんを調合した「かえし」の存在でした。 銚子や野田から届く豊富な醤油をベースに、職人たちが生み出したこの合理的な仕組みが、江戸のファストフード文化を可能にしていたのです。 醤油の個性で楽しむ「かえし」のバリエーション 醤油の扱い方や、選ぶ銘柄ひとつで、料理の表情は驚くほど豊かに変わります。...
4月11日


春の苦味をいただく。山菜の下処理は自然とつながる知恵と工夫
春ですね。店頭には、ふき、こごみ、タラの芽、わらび、うど……。 そして今年、私は初めて「アマドコロ」を手に取りました。 山菜特有の強い苦味やえぐみ。それらを美味しくいただくための「下処理」という行為は、単なる料理のテクニックではありません。それは、自然と人間の間にある「知恵」なのだと改めて感じます。 厳しい自然の恵みを食卓へ運ぶために、先人たちが積み重ねてきたこの大切な作法は、私たちが丁寧に伝え続けていきたいWhole Foodの原点です。 ============================================== 山菜の下処理 — 自然の季節を台所に迎え入れること — 春の山菜の苦味には、ポリフェノールやサポニンなどの成分が含まれ、 冬の間に眠っていた身体を内側から目覚めさせてくれる、この季節にぴったりの食材です。 日本で最も親しまれてきた「わらび」や「ぜんまい」。 皆さんは、もう召し上がりましたか? 下処理には大きく分けて4つの方法があります。 ① 塩でもむ(板ずり) 塩を振ってまな板の上で転がすことで、香りが立ち、色も鮮や
4月5日


「私にできることを、もう一度」――LA集中講座を経て、いま伝えたいこと。
3月10日、ロサンゼルスで開催した初めての「Whole Food集中講座」。 料理実習と講義を詰め込んだ濃密な1日。20年のキャリアを懸けて、私なりに全力を出し切ったはずでした。 けれど、終わった後に残ったのは「もっと伝えられたはず」「もっと深く、受講生の暮らしを支えられたはず」という、言葉にならないモヤモヤとした思いでした。 スクール設立から20年。この節目に、私たちはこれまでの歩みを土台とし、より本質的で、より実践的な「Whole Food Foundation Course(基礎コース)」として、新たな一歩を踏み出しました。その第一歩となるLAの皆さんに、知識ではなく「一生ものの習慣」を届けるために。私は帰国後、異例の「オンライン補講」を提案しました。 ============================================== 「削って、削って、最後に残ったもの」 帰国からの2週間。たった1時間の補講のために、私はLAのスーパーやカフェで体感した最新のトレンドと、自分の知識を照らし合わせ、テキストを徹底的に見直し続けました
3月27日


「時代がようやく追いついた」―私が40年間、ベジブロスを伝え続ける理由
ロサンゼルスの高級オーガニックショップを覗けば、そこには今「ブロス(出汁)」のコーナーが当たり前のように存在しています。その光景を見るたびに私は思うのです。「ああ、やっと時代が私に追いついてきたな」と。 私が野菜の切れ端から取る出汁「ベジブロス」を提案し始めてから、まもなく40年。 今日は、なぜ私がこの「魔法の液体」にこだわり、そして一度は世間から敬遠される道を選んだのか。その真実のヒストリーをお話しします。 ============================================== すべては一冊の本、そしてアメリカへの逃避行から始まった 1980年代、まだ「ビタミン」という言葉すら一般的でなかった頃。私は丸元淑生さんの著作に出会い、衝撃を受けました。「これだ!」という直感に突き動かされ、お金もコネもないまま、バックパッカーとしてアメリカへ飛び出しました。 当時学んでいたマクロビオティックの限界を感じていた私が出会ったのは、食と暮らしと環境をまるごと考える『Whole Food Life』という思想。 帰国後、表参道の「ブラウン
3月11日
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