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タカコナカムラ時々ブログ


台所に戻ってくる人たちへ。「一生もんの知恵」が芽吹く瞬間に立ち会って。
「料理は、感覚だけでは続かない」 だからこそ、私たちの『応用コース』では、各界の第一人者をお招きして、食・農業・環境・暮らしを「システム」として深く理解する時間を設けています。 単にレシピを増やすのではなく、自分の頭で納得し、自分の手で再現できること。 強制されるのではなく、ストンと腑に落ちたとき、人はもう台所から離れなくなります。 ========================================= 「すべてはつながっている」という確信 遺伝子組み換え、経皮毒、オーガニックガーデン、そしてナチュラルクリーニング。 一見、料理教室の枠を越えているように見えるこの講師陣は、実は全員が同じゴールを見つめています。 食だけ、農業だけ、暮らしだけを切り取っても、未来は拓けません。 ベテランの講師の方々が、今なお学びを止めず、常に最新の情報を携えて教壇に立ってくださる姿。その真摯な背中から、生徒さんたちは技術以上の「生きる姿勢」を受け取ってくれています。 道具が、人を台所へ連れ戻す 先日、ある生徒さんが「念願の包丁を手に入れて、あまりの切れ味
2 日前


小豆島便り。人はなぜ、木桶サミットに集まるのか?
今年も、全国から400人を超える人々が小豆島に集まりました。 そこにあるのは「伝統を守らなければ」という悲壮感ではありません。 木桶を作る人、使う人、そして何者でもない若者たち。 彼らが惹きつけられるのは、制度でも補助金でもなく、ただ「カッコイイ」という背中があるから。 木桶という装置が、いかにして未来を自然発生させているのか――。 タカコナカムラが現地で感じた「希望」の記録です。 ========================================= 徒弟制度は壊れた。けれど「背中」は残っている 今、日本の醸造用木桶職人は絶滅の危機を乗り越え、驚くほど多くの若者たちが自ら手を挙げ、集まっています。 修業も、説教も、命令もない。ただ、同じ釜の中に同世代を放り込むと、そこには強烈な化学反応が起きます。 誰に言われたわけでもない。認定があるわけでもない。 ただ「カッコイイ」から。 『ヤマロク醤油』の山本康夫さんをはじめとする、三人の男たちの情熱から始まったこの動きは、制度ではなく「人」が未来を呼ぶのだということを証明しています。 料理は、
2月7日


現役92歳の眼差し。小泉和子先生に学ぶ「これからの暮らし」
大田区久ヶ原にある「昭和のくらし博物館」。 そこには、時代を懐かしむためではなく、未来を生き抜くための『知恵』が静かに息づいています。 先日、館長の小泉和子先生に取材でお話を伺いました。 92歳にして現役、菊池寛賞を受賞されたばかりの先生から手渡されたのは、便利さと引き換えに私たちが忘れてしまった「暮らしの矜持」という宿題でした。 ========================================= 懐古ではない、未来のための「知恵」を残す場所 小泉先生のご自宅をそのまま公開しているこの博物館は、再現された空間ではなく、実際に営まれてきた「生きた暮らし」の記録です。 先生は仰います。「昭和を懐かしむために残しているのではない」と。 そこにあるのは、気候変動や環境破壊が深刻化する現代において、私たちがもう一度立ち止まって考えるべきヒントです。 すべてがプラスチックに包まれたスーパーの食品。 限界を迎えつつある大量消費の暮らし。 「少し工夫しよう、という気持ちが大切なの」 先生の厳しい、けれど温かい眼差しは、一人ひとりの暮らしの変容が社
1月31日


私の知的財産。土と背中に教わった「本物の食」の記憶
「どうしても読みたい」というお声をいただき、久しぶりに絶版となった自著をめくりました。 ページに並ぶのは、1990年代から私が通い詰め、対話を重ねてきた生産者の方々の姿。 スマホもYouTubeもなかったあの頃、私たちは「行く」しかありませんでした。 今、改めて振り返る、データやノウハウでは決して代替できない私の中に眠る『知的財産』のお話です。 ========================================= 土に触れ、背中を見て。会いに行くしかなかった時代の学び 本の中で再会した生産者の半分以上の方は、すでにこの世を去られています。 もぎ豆腐の茂木会長、松田マヨネーズの松田さん、丈夫卵の高橋さん……。 あの頃の私は、畑に立ち、土に触れ、作り方の向こう側にある「人となり」を全身で受け止めるのが当たり前でした。 スマホの画面越しでは決して伝わらない、空気感、沈黙、そして言葉にならない感動。 「その製品を本当に知りたいなら、生産現場へ行け」 山口県から出てきたばかりの何も知らなかった私は、先輩から授かったこの言葉を胸に、生産者の皆さ
1月23日


教える覚悟。「本気」で向き合い伝えたい料理を学ぶ本当の姿勢。
「先生の言葉が厳しすぎる」 かつて生徒さんから届いた一通のメールに、戸惑い、一時は言葉を飲み込んでしまったこともありました。 しかし先日、イタリア食材の先駆者である朝倉玲子さんの講座に立ち会い、タカコナカムラは「教える」ことの本質を突きつけられました。 料理の技術以前に大切な、学ぶ側の「姿勢」。そして、教える側の「覚悟」。 いま、改めてタカコナカムラが抱く、教室への想いをお届けします。 ========================================= 「返事は一回」——張り詰めた空気の中で見えたもの 朝倉玲子さんの講座では、受講生の手元、姿勢、そして返事の仕方にまで鋭い視線が注がれます。 「今、いちばん大事なところをやってる。見なきゃダメ!」 試食に夢中になる生徒さんに飛ぶ、朝倉さんの本気の言葉。 そこには、技術を教える以前の「学ぶ姿勢」への厳格さがありました。 自己流を捨て、まずは先生を徹底的に真似ること。 それができない人は成長しない。その言葉は、教える側である私の胸にも深く、鋭く刺さりました。 叱ることを恐れ、遠慮していた
1月17日


世界へ届ける台所の知恵。「米麹」魔法の三段活用
「自分の感性を錆びさせないために」 毎年3月、タカコナカムラはホールフードの原点ともいえるカリフォルニアを訪れます。 今年のテーマは、現地からも熱いリクエストがあった『米麹』。 ブームとしての「腸活」ではなく、忙しい日々を支える「日本の台所の合理性」を伝えたい――。 海を越えて届けたい、シンプルで豊かな米麹の活用術をご紹介します。 ========================================= 「Koji」は、料理をがんばらなくていいための助っ人 今、アメリカでも「Koji(麹)」は大きな注目を集めています。現地のシェフたちは、発酵を「手間を省き、味を深くするための実用的な技術」として捉えています。 日本でも塩麹や甘酒がブームになりましたが、どこか「体にいい特別なもの」として構えてしまってはいませんか? 本来、米麹はもっと生活に寄り添った存在でした。 私が提唱しているのは、 『米麹三段活用』。 たったひとつの米麹から、暮らしを楽にする三つの調味料を生み出す方法です。 炊飯器ひとつで始まる「米麹三段活用」 難しいことは何もありま
1月12日


カラダの声を信じて。食の入口に立つためのシンプルな提案
「無添加=正解(安心)」だと思い込んでいませんか? 実は、2024年4月から食品表示法において「無添加」という表示のルールは厳格化されました。 それでもなお、店頭にはこの言葉が溢れています。 30年以上「食」と向き合い、料理を教えてきたタカコナカムラは、あえてこの言葉と少し距離を置いています。 「無添加」はゴールではない。その先にある、本当に豊かな食卓へのヒントをお届けします。 ========================================= 「無添加」という言葉に隠された、いちばん大切な主語 無添加とは、本来「何かを入れていない」という状態を表すだけの言葉です。 ここで抜け落ちてしまっているのは、「何を」添加していないのか? という主語です。 食品表示には、表示義務のない「キャリーオーバー」や、まとめて表記される「一括表示」など、多くの “抜け道” が存在します。 ラベルに書かれた言葉だけを追いかけても、本当の安心には辿り着けないのが今の日本の現状です。 どんな発見機より正しいのは、あなた自身のカラダ 20年以上、料理教室を続
1月5日


「かえし」があれば献立に迷わない。豊かな食卓の作り方
2026年、新しい1年が始まりました。 皆さんは今年、どんな食卓を囲みたいですか? 「和食は手間がかかる」というイメージを、鮮やかに変えてくれる江戸の知恵。 今回は、タカコナカムラが「これからの100年に残したい」と願う万能調味料、「かえし」の物語をお届けします。 ========================================= 江戸の台所が教えてくれる、合理的でまろやかな知恵 「かえし」とは、醤油・砂糖・本みりんを合わせた、和食の味のベースとなる合わせ調味料のこと。江戸時代、街の蕎麦屋が保存性を高めつつ、味をまろやかに熟成させるために生み出した知恵です。 冷蔵庫のない時代、調味料を煮直し、甕(かめ)で寝かせることで、醤油の角が取れて旨味が増す。この「熟成」こそが、かえしの本質です。 かつては家庭の台所でも当たり前に作られていたこの魔法の調味料ですが、今ではその姿をほとんど消してしまいました。 こんなに便利で、豊かな味を作れる道具を忘れてしまうのは、あまりにももったいない! そう私は思っています。 木桶の森から届く、誠実な一滴.
1月2日


20周年。台所から未来をつくる「料理をする人」を増やしたい。
2026年1月配信の『まるごとノオト。』撮影を終えて。 実は、料理をせずに人前でお話しするのはあまり得意ではないのですが……(笑)。 今回は20周年という節目にあたり、どうしてもお伝えしたい「原点」の話を朗読させていただきました。 なぜ、私は20年間スクールを続けてきたのか。そして、これからどこへ向かうのか。 新年に向けた決意をお届けします。 ======================================== スクール20周年。「レシピ」よりも伝えたいこと タカコナカムラ Whole Food スクールは、今年で20周年を迎えます。 20年前、なぜこのスクールを始めたのか――。 その理由は、ただひとつ。「料理をする人を増やしたい」、それだけでした。 料理上手な人や、レシピをたくさん持つ人を育てたかったわけではありません。 「食べることは、生きることなんだ」 「台所は、家庭のファーマシー(薬局)なんだ」 そう感じてくれる人を、一人でも増やしたかったのです。 ホールフードは単なる食事法ではなく、生きるための軸をつくり、未来を支えるための
2025年12月24日
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