料理が消えたら、日本はどうなる?
- 8月1日
- 読了時間: 6分

電子レンジで温めるだけの食事が当たり前になり、「料理をする人」そのものが減りつつある現代。 長年ホールフードスクールで食の現場を見つめてきたタカコナカムラは、その現実に強い危機感を抱いていました。 そんな中、伝統調味料の未来を支えてきた『職人醤油』の高橋万太郎氏が立ち上がります。 調味料や伝統の道具、そして日本の暮らしを守るために始動する「料理をする人を増やす研究所」。その決意と情熱の裏側をお届けします。
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スクール開講休止の理由と、「レンジでチン」への危機感
今年4月から、『ホールフード基礎コース』を開講していません。
理由はひとつ。 私は、料理をする人が減ったことを肌で感じているからです。
受講生のスキルも、この20年で大きく変わりました。
かつては、
「料理が本気で上手くなりたい」
「料理を教える人になりたい」
そんなハングリーな生徒がたくさんいました。
最近は、
「レシピを増やしたい」
「面白そうな講座だから参加してみたい」
そんな動機の方が増えたように感じます。
もちろん、それが悪いと言いたいのではありません。
私は、料理のスキルや上手い下手で生徒を仕分けしているわけではありません。
ただ、本当に学びたい人には、本気で教えたい。
それだけなのです。
2003年にスクールを始めて20年以上。
特に2020年、コロナを境に、世の中も、生徒も、大きく変わった気がしています。
コロナ禍では、「おうちごはん」という言葉が流行りました。
家で料理をする人が増えた——そんな報道もたくさんありました。
でも、私はちっとも増えてはいないと思っています。
耐熱容器にレトルトスープ。
パスタを半分に折って入れ、 チーズをかけて電子レンジでチン。
私にとって、これは『料理』ではありません。 ハイ、『餌』です。
「料理をする人が減ったからだ!」職人醤油・万太郎さんとの本音トーク
昨年末、『職人醤油』の高橋万太郎さんから取材を受けました。
Whole Foodについて話し始めると、
それはもう耳にタコができるくらい、40年近く誰にでも話してきた鉄板ネタです。
その途中、私は少し熱くなって、こんな話をしました。
「醤油も味噌も、毎年、消費量が減っていますよね。
大手メーカーは、タレやドレッシングなど新しい商品を作る力がある。
でも、小さな蔵には、それは難しい。 醤油って、飲めない。 味噌も、そのままで食べられない。
何故、消費量が減っているのか? それは、料理をする人が減ったからですよ。
料理をしないから、食材は売れない。 調味料も売れない。
そこを何とかしない限り、ダメなんですよ!」
半分キレながら(笑)、そんな話をした記憶があります。
万太郎さんは、終始、黙ってうなずいていました。
しばらくして、万太郎さんから一本の連絡が入りました。
「料理をする人を増やさないと、
生産者がどれだけ良いものを作っても消費されないことが、ようやくわかりました。」
その言葉が、とても嬉しかった。
「Jesus」万太郎さんが動いた!ついに届いた40年目の念い
そして半年が過ぎた。
万太郎さんは、『料理をする人を増やす研究所』という趣意書を作りました。
読んだ瞬間、胸がジーンと熱くなりました。
思わず両手をグーにして振り上げ、スタジオの中を走り回って喜びました。
やっと。
やっとWhole Foodのミッションを理解してくれる人が現れた。
私が40年、生涯をかけて伝えてきたことが、ようやく誰かに届いた。
そんな言葉にならない感動でした。
万太郎さんは12年前、木桶がなくなる危機感から、
小豆島・ヤマロク醤油さんと共に「木桶職人復活プロジェクト」を立ち上げました。
そして、本当に木桶文化を次の世代へつないでしまった人です。
私は、その姿をずっと近くで見てきました。
だから万太郎さんのことを、こっそり「Jesus」と呼んでいます(笑)
醤油業界に風穴を開け、木桶文化を未来へつないだ人。
その万太郎さんが、次のテーマとして選んだのが、
「料理をする人を増やすこと」 研究所の所長は、なぜだかタカコナカムラ。
身が引き締まる思いです。 皆さんの期待に応えたい。
アンダー40集まれ!
2026年10月16日、第一回研究会スタート
10月16日、第一回の研究会を開きます。
集めたいメンバーは、オーガニックやこだわり食品の生産者だけではありません。
製造メーカー。 流通。 飲食店。 料理を取り巻く、あらゆる人たちです。
そして、もう一つ条件があります。
アンダー40。
私たち世代だけで議論していても、未来は変わりません。
40歳以下の若い人たちに参加してもらい、この研究所を動かしてほしいのです。
私は船でいえば、錨の役目です。
船を引っ張るのではなく、 寄港地では船を支え、 荒海では流されないように支える。
そんな存在でいたいと思っています。
和食文化と暮らしの道具を守るために、台所に立とう
料理をする人が増えなければ、モノが売れない。
だから始めるんだよねーー?
そんな小さな話ではありません。
和食文化そのものが消えてしまいます。
包丁も、おひつも、器も、盆ざるも、すり鉢も。
気がつけば、暮らしの道具が一つずつ姿を消しています。
これは食だけの問題ではありません。
暮らしの問題であり、日本の文化の問題です。
料理をする人を増やすことは、レシピを増やすことではない。
台所に立つことの大切さ、楽しさを今一度、 伝えたいと思う。
私たちは今、本当に次の世代へ何を伝え、何を残していくのか。
その岐路に立っているのではないでしょうか。
※本記事は「note」より要約抜粋しています。
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✏️ 編集部より 〜 Whole Food Life からのご案内 〜
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レシピを覚えるだけでなく、「自ら台所に立ち、暮らしを養う力」を育むこと。
あなたの台所から、日本の食文化と美しい未来を守る第一歩を始めてみませんか?
タカコナカムラWhole Food スクール
「なぜ台所に立つのか」本質の食の知恵を学ぶ。
単なるレシピ集めにとどまらず、食材の背景や伝統調味料の価値、環境や暮らしとの繋がりまで。
タカコナカムラが40年かけて深めてきた「一生モノの食の技術と視点」を楽しく学べます。
Online Shop「Whole Food Life」/スクール購買部(かいものスペース)
料理をするよろこびを支える「本物の道具と調味料」。
職人の技と想いが宿る伝統調味料や、使うほどに愛着が湧く手仕事の調理道具を厳選してご紹介。
日々の料理を愛おしく、美味しさを底上げしてくれる信頼のアイテムが揃っています。
まるごと養生食堂(たべるスペース)
手仕事のぬくもりと「本物の味」を体感する。
素材の命をまるごと引き出し、丁寧にとっただしと伝統調味料で仕立てる手料理。
台所に立つ楽しさや、体が整う美味しさの本質を、ぜひ食堂の温かな空間で味わってください。
2026年8月のテーマ食材は「重久盛一酢醸造場」の甕壺仕込みの「黒酢」です!
