「しろたまり」を世界へ。親子三代でつないできた夢
- 7月26日
- 読了時間: 5分
更新日:7月27日

「なぜ白醤油と名乗れないの?」そんな疑問を持つ人も多い、愛知県碧南市・日東醸造の「しろたまり」。
小麦と塩だけという潔い調味料の魅力を伝えるため、全国を飛び回り4,000人超のマエストロを育ててきた三代目・蜷川洋一社長から、ついに息子(蜷川Jr.)へと情熱のバトンが手渡されました。
祖父から父、そして息子へ。木桶文化と本物の志を三代で受け継ぎ、世界へと羽ばたく「しろたまり物語・第2章」の始まりをお届けします。
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「なんじゃ、これは?」から始まった全国への旅
「しろたまり」は、愛知県碧南市の日東醸造株式会社が造る、限りなく白醤油に近い「小麦醸造調味料」です。
「なぜ白醤油と名乗れないのですか?」 そう聞かれることがよくあります。
理由は、とてもシンプルです。
しろたまりは、小麦と塩だけで仕込む、とても潔い醸造調味料だからです。
しかし、現在の白醤油のJAS規格とは異なるため、「白醤油」と表示することができず、「小麦醸造調味料」と名乗るしかありません。
店頭で白醤油を探していた人が、瓶のラベルを見て、 「なんじゃ、これは?」 と戸惑うことも少なくありません。
そこで立ち上がったのが、日東醸造三代目・蜷川洋一社長です。
「知ってもらえないなら、自分たちで伝えよう。」 そう考え、実際にしろたまりを仕込むワークショップを始められました。
さらに、その魅力を正しく伝えられる人を育てようと、ホールフード協会では「しろたまりマエストロ認定講座」を開講させて頂きました。
蜷川社長は全国を飛び回り、自ら講師を務め、受講者は延べ4,000人を超えました。
その一人ひとりが、「しろたまり」の魅力を伝える語り部となり、全国へとその輪が広がっていったのです。
4,000人の語り部と、世界へ届いた第一章
そして2026年の夏。
長年続いたこのワークショップと認定制度は、一つの区切りを迎えました。
その理由は、とても喜ばしいものでした。
かつては誰も知らなかった「しろたまり」が、今では全国へ広がり、日本を飛び出してアメリカやヨーロッパへも届くようになったからです。
「知ってもらう」という最初の使命は、十分に果たされたのです。
しろたまりマエストロの皆さま、心よりお礼申し上げます。
愛される最大の理由は、あの「顔をくしゃくしゃにした笑顔」
私も20年以上、しろたまりを応援してきました。
数ある醤油の中でも、これほど未来を感じる醤油はありません。
もちろん、しろたまりは、美味しいから愛されてきた。 それは間違いありません。
打破できない壁があっても、私は、それだけではないと思っています。
ここまで多くの人に愛されるようになった最大の理由は、蜷川社長その人柄だと思っています。
全国を回り、笑顔で語り、顔をくしゃくしゃにして笑い、参加者一人ひとりと向き合う。 あの温かな人柄に、多くの人が心を動かされたのだと思います。
途中、いろんなこともありましたが、どん底の時も、ワークショップではいつも明るく、しろたまり仕込みを伝え続けてこられました。
しろたまりのファンは、頼まれなくても誰かにすすめます。
自分で買い、人に贈る。
まさに今でいう「推し活」です。
「めちゃくちゃかっこいい」父の背中を追って
2026年7月25日。 その日、蜷川洋一社長から蜷川Jr.へ、確かにバトンが手渡されました。
「しろたまり推し活部長」として、タカコナカムラWhole Foodスクールで講師デビューした蜷川Jr.。
白醤油を造っていた祖父には、
「昔ながらの本物の白醤油をもう一度造りたい」という夢がありました。
その夢を父・洋一さんが受け継ぎ、「しろたまり」という形で実現させました。
そして今度は、そのしろたまりを世界へ届ける夢を、蜷川Jr.が受け継ごうとしています。
講座の中でJr.は、お父さんのことを、「めちゃくちゃかっこいい。」 と照れながら話していました。
その一言が、とても印象的でした。
親は、子どもに何を教えるか、どう生きるか。 どんな背中を見せるか。
その背中こそが、子どもに受け継がれていくのだと思います。
祖父の夢を受け継いだ父。
父の背中を見て育った息子。
なんて素敵な親子なんだろう。 私は少し羨ましくなりました。
木桶を守り、志を未来へ繋ぐ「第2章」の幕開け
もうひとつ、蜷川社長の功績をお話ししたいと思います。
木桶で仕込むしろたまり。
12年前、小豆島のヤマロク醤油さんや、職人醤油の高橋万太郎さんらが立ち上げた「木桶職人復活プロジェクト」。
蜷川社長は、その活動の大切な伝え手として、木桶文化の価値を全国へ発信し続けてこられました。
実は、私が木桶プロジェクトを知ったのも、蜷川さんがきっかけでした。
一本のしろたまりを伝えることは、一つの調味料を売ることではありません。
木桶を守り、発酵文化を守り、日本の食文化そのものを未来へ手渡していくことなのです。
祖父が夢を描き、 父が形にし、 息子が世界へ届けようとしている。
三代にわたって受け継がれてきたのは、しろたまりだけではありません。
「本物を守りたい」という志でした。
親は、言葉よりも背中で語る。
その背中を見て育った息子が、今度は次の世代へ向けて歩み始めた。
しろたまりの物語 第2章は、始まったばかりです。
※本記事は「note」より要約抜粋しています。
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