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お盆ってなんだろう?

  • 8月7日
  • 読了時間: 6分


「お盆休み」や「夏休み」としてのイメージが強くなり、ただの長期休暇として通り過ぎてしまいがちな現代のお盆。 しかし日本人は古くから、お正月とお盆という一年に二度の「大切な人を迎える節目」を愛おしんできました。 きゅうりの馬やナスの牛に込められた願い、山口県の実家で体験した懐かしい風習、そして亡き人を想う温かな食卓。 タカコナカムラが、命と家族を繋ぐ「お盆の本質」を問いかけます。


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「盆と正月」に込められた、日本人の「迎える」文化


お盆休みを前に、ふと思いました。

「お盆って、何だろう?」


「盆と正月」という言葉があります。


今ではあまり耳にしなくなりましたが、

日本人の暮らしを理解するうえで、とても象徴的な言葉です。


お正月は、新しい一年の豊作や幸せをもたらす年神様を迎える行事です。

おせち料理は、年神様へのお供えでもあります。


一方、お盆は、ご先祖様の霊を迎える行事。

つまり、日本人は一年に二度、「迎える」文化を大切にしてきたのです。


「盆と正月が一緒に来たようだ」ということわざがあります。

楽しいことやうれしいことが重なり、大忙しだけれど幸せいっぱい、という意味です。

それほど昔の日本人にとって、「盆」と「正月」は一年で最も大切な節目でした。

ところが今、お盆といえば「お盆休み」「夏休み」というイメージが先に浮かび、

ご先祖様をお迎えする行事であることを意識している人は、それほど多くないように思います。



きゅうりの馬とナスの牛!お盆検定、あなたはどこまで知ってる?


お盆の正式名称は盂蘭盆会(うらぼんえ)。

日本には古くから、夏になると祖先の霊が家へ帰ってくるという祖霊信仰があり、

その風習と仏教が結びついて、現在のお盆になったといわれています。


地域によって違いはありますが、一般的なお盆の行事は次のようなものです。


・お墓を掃除し、お参りをする。

・仏壇を整え、お供えをする。

・迎え火を焚き、ご先祖様を迎える。

・家族で食卓を囲み、故人をしのぶ。

・送り火を焚き、ご先祖様を見送る。


京都の五山送り火は、その送り火として有名ですね。

三つ以上知っていた方は、お盆検定初級合格です(笑)。


では、中級編です。


なぜ、お盆にはキュウリやナスを飾るのでしょう。


キュウリの馬には、「少しでも早く家へ帰ってきてください。」

ナスの牛には、「たくさんのお供え物を積んで、ゆっくりお帰りください。」

そんな願いが込められています。


もし逆に飾ってしまったら、

「ゆっくり来て、とっとと帰ってください」という意味になってしまいます(笑)。


お間違えなくね!



「さあ、家へ帰ろうね」山口県の風習と、忘れられない思い出


私の故郷、山口県では、お盆の13日の夕方になると、お墓へ行きます。


そして墓石に背中を向けて、


「さあ、家へ帰ろうね。」


そう声をかけ、ご先祖様をおんぶする真似をする風習があります。


子どもの頃は、その動作が不思議で、「何をやっているんだろう」と思っていました。

正直、ばかみたいと思った時期もありました。

でも、歳を重ねた今は、その意味が少しずつわかるようになりました。


お盆は、亡くなった人のためだけの日ではありません。

家族が集まり、ご先祖様に手を合わせ、

自分たちが今ここに生きていることに感謝する日なのだと思います。


昔の人は、こうした節目を暮らしの中に組み込みながら、

「命は自分一人のものではなく、受け継がれてきたもの」

ということを、子どもや孫へ自然に伝えてきました。


だから、お盆の食卓は、ただ食事をする場ではありません。

家族の歴史や命を受け継ぐ、大切な場所でもあったのです。


山口県の実家は割烹料理店でした。

それこそ「盆も正月もない」暮らしです。

一年で一番の稼ぎ時ですから、

仕出し料理や法事のお弁当作りに、子どもの私もよく手伝わされました。

当時は嫌で仕方ありませんでしたが、今では懐かしい思い出です。



お盆をやらないとどうなる?失われていく「想う時間」


さて、お盆をやらないと、どうなるのでしょうか。


私は、「何か悪いことが起きる」とは思いません。ご先祖様が怒るとも思いません。

けれど、お盆という行事をしなくなることで、少しずつ失われていくものはあると思います。


お墓へ行く機会。

家族が集まる理由。

亡くなった人の思い出を語る時間。


そして、自分がどれだけ多くの命につながって今を生きているのかを感じる時間。


こうしたものは、お盆という節目があったからこそ、自然に受け継がれてきたのではないでしょうか。


元料理アシスタントのTちゃんは今年、お母様を亡くしました。

東京は7月にお盆行事をやります。


昨日、久しぶりにあったら

『8月のお盆もやります!だって、母に会いたい、帰って来て欲しい。何度でもお盆やりたい』

と話してくれました。


胸がキュンとなりました。

年中行事ではなく、お盆に限らず、大切な人を亡くしたら、きっと、同じようにすると思いますね。



命をつなぎ、家族をつなぐ食卓の知恵を未来へ


最近は、暮らしの中のいろいろなことが省略されるようになりました。

特に年中行事は、真っ先に省かれてしまいます。

お盆はスルーするのに、ハロウィンは大いに盛り上がる。

それって、あり?


日本には日本が大切に育んできた年中行事があります。

その意味を知り、その季節ならではの料理を味わい、家族で食卓を囲む。

それは単なる「昔ながらの風習」ではなく、命をつなぎ、家族をつなぐ知恵なのだと思います。


料理は、お腹を満たすためだけのものではありません。

人を迎え、命に感謝し、文化を受け継ぐもの。

だから私は、子どもたちにも、お盆の意味と、その食卓を伝えていきたいと思っています。


そうそう、私の実家では、お盆にお年玉ならず、『盆玉』をもらってました。

そうか、孫に『盆玉』あげなくちゃあげなくちゃーねー!



※本記事は「note」より要約抜粋しています。



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