国民1人が1年間に食べているお米の量は1962年の118.3kgをピークに年々減少し、2022年では50.7kgになっています。
食の多様性や炭水化物を抑える糖質ダイエットなど、さまざまな要因が考えられます。
「米を食べなくなった日本人」のために、農家は減反を迫られるようになりました。
その結果、「田んぼ」が消えつつあります。
ホールフード協会法人メンバーには、米麹、日本酒、米酢、みりんなど「米」を原材料しています。
食と暮らしと環境をまるごと考えるホールフードの理念から、食糧としての「米」ではなく、
暮らしや環境から考える「田んぼの役割」を多くの方に伝える活動をしています。
活動レポート
北斗の森「田んぼプロジェクト」
群馬県高崎市「北斗の森」は、自然栽培で梅を栽培しています。代表は、石曽根俊明さん、パートナーの栄子さんです。石曽根栄子さんは、タカコナカムラホールフードスクールの卒業生で、現在では、農家レストラン「春夏秋冬」を榛名神社の参道でオープン。その野菜料理の素晴らしさは、海外からの旅人にも大好評です。
2014年に、ホールフード協会が中心となり「米作りを体験してもらいたい!」と教室の生徒たちに声をかけ「田んぼプロジェクト」が発足。2年後からは「北斗の森」が運営母体となり、毎年、農薬も化学肥料も使わずに、米作りを続けています。
俊明さんの指導のもと、田植えから、草取り、稲刈り、はぜかけと昔ながらの方法で、
都会で暮らす若い人たちが自然の中で汗を流しています。
秋の収穫祭は、石窯でピッツアを焼き、星空の下でのバーベキュー。1年の恵みに感謝をしています。
田んぼプロジェクトが継続したもう一つの理由、農作業の合間のお昼ごはん。
栄子さんの旬の野菜を使ったとびっきりのランチです。
農作物を作ることの大変さ、それを無駄なく料理する喜び、田んぼのおかげで集う仲間たち。
俊明さんは、毎回迎えるメンバーに「おかえり」って声をかけています。
山口県立大学
「お弁当の日」プロジェクト
同大学看護栄養学部栄養学科の園田純子准教授は、長年、「お弁当の日」の活動として
学生たちと一緒に、各自が一品持ち寄る「お弁当の日」を続けて来られました。
2023年山口県内の農家の田植えから稲刈りまで学生たちが米作りを体験。
収穫した新米で料理講座を11月18日タカコナカムラを講師として開催しました。
メニューはおむすび・山口県のいりこを使ったふりかけ・米粉のシチュウ・米粉のプリン
米と米粉を使う料理をいただきました。食事後には、タカコナカムラにより「田んぼの役割」や「米粉の使い方」をスライドを通じて講義を行いました。
講義終了後は、学生たちは4つのグループに別れ、減少する米の消費量を考え、「NiceなRiceをどのように活かすか〜米を普及させるために私たちに出来ること〜」をテーマに話し合いの場を持ちました。
米粉にわかりやすい基準がないことも課題に上がりました。
どの学生たちからも「田んぼがこんな役割りがあったなんて」「今日聞いたことは、家族や周りの人に話したい」といううれしい声が聞こえてきました。
*「弁当の日」は、香川県の小学校の竹下和男校長先生がはじめられた子どもが自分でお弁当を作る活動です。
醸造家が醸す米粉パンプロジェクト
1973年創業の(株)味輝は、無添加で天然酵母パンの製造を「食は命なり」をコンセプトに作り続けてきました。天然酵母も米を原材料として酵母菌を発酵させた「味輝酵母」を使用。
2018年から米粉100%の無添加パンを粉を使った製パンの研究に着手。
2021年、製パン機械で米の旨味や香りを引き出す独自製法を確立。埼玉県、農研機構、石川県立大学との共同研究も始めています。
2022年、市販イーストではなく、植物性天然酵母による製パン法に辿り着きました。
近年、卵、乳、小麦粉などのアレルギーを持つ方が増え、「家族みんなで食べられるパン」として無添加米粉100%パン作りを目指しています。
NOW
ホールフード協会の活動
料理家タカコナカムラは、米の消費量が減り、田んぼが消えていくことをくい止めたいと「米を食べないなら、米粉をもっと手軽に使ってほしい」と考え、「米粉キッチンプロジェクト」と呼んでいます。
タカコナカムラホールフードスクールでは2003年開校から料理に米粉を活用してきました。とろみ剤としての米粉、冷えると固まる性質を利用してのスウィーツなど「小麦粉と同じようにどのキッチンにも米粉を置いてほしい」と雑誌やS N Sでも米粉を使うレシピを発信しています。
Caféのメニュー開発や商品開発も承っています。
<実績>
うかたま連載(農文協) 2021年〜
うかたま別冊発売(農文協) 2022年12月
「米粉の料理とおやつ」出版(農文協) 2022年7月
米粉キッチンプロジェクト
米粉を小麦後と同じように、キッチンに常備し使うことを伝えています。
ロシア・ウクライナ侵攻により、世界の小麦粉の値段は高騰し、その結果、小麦粉の代替品として「米粉」が注目をされるようになりました。
小麦のアレルギ−やグルテンフリーの流行により、「米粉バブル」とも表現されているほど、米粉を使ったお菓子、麺類、パンの開発が急速に広がっております。
しかし、そこには、あくまでも「小麦粉の製品に寄せていこう」「小麦粉と変わらない食感やテイストに」という風潮があることは否めません。
ホールフード協会では、「米粉」の利点、魅力をもっと正しく伝えて、商品開発をサポートしています。
ホールフード協会の特別アンバサダーとしては、米粉マイスター協会代表理事の佐藤蓬さんに定期的に米粉を使った料理やパン講座を開催しております。企業研修も可能です。
米粉スウィーツについても、タカコナカムラホールフードスクール卒業生により、
レシピ開発、研究を継続的に実施。同スクールでは、「ホールフードカフェ」として
米粉のロールケーキなども提供しております。*営業日は毎週月曜日のみ
私たちの目指すことは・・・・
01
米粉のわかりやすい
基準作り
現在、1番、2番、3番というわかりにくい米粉の基準しか
なく、お菓子やパン作りでは、失敗する原因の一つとなっています。失敗すると
「やっぱり米粉ってむづかしいわ」と米粉から離れる人が少なくありません。
誰もが見てわかりやすい米粉の基準を作るべきだと思います。
02
米粉の選び方の啓蒙
米粉は粒度(細かさ)と製粉時の損傷率が選ぶ時にとても大切なポイントです。
それを表示すること、製粉所がそのことを共有することを警鐘しています。
03
国産の米粉と海外の
米粉の使い方
米粉のデンプンは「アミロース」「アミロペクチン」があり、米粉パンや米粉麺などは、高アミロース米の方が向いていると言われ、ケーキやクッキー、和菓子などの場合は、低アミロース米の方が向いていると言われます。海外の米は、アミロースが高いことからせっかくの米粉ブームでも、輸入の米粉を使用する場合が増えていることは
どうなのでしょうか?
食と環境を考えるプロジェクト
ホールフードな米粉プロジェクト