昨日、講座でグラタンを作りました。 巷で流行っているヴィーガンチーズを試しに使ってみました。 そしたら、200℃で25分加熱しても、溶けない。 焦げ目もつかない。 臭いが、何やら、駄菓子っぽいのだ。 数あるメーカーの中でも、原材料ラベルをチェックして マシなものを選んだつもり。 ベースは、ココナッツオイルでしたが、加工デンプンやら 香料やらは不可欠。 そりゃそうです、チーズじゃないもん。
ヴィーガングラタンにしたかったら、パン粉にオイルを混ぜたものを 乗せればよかったのに。つい、目新しいものに手が出てしまったのだ。 肉を使っていないハムやパテもあるし、 古くは、大豆タンパクやグルテンなども、今はすっかり 市民権を得ている。 かつては、マクロビオティック実践者や私のようなベジタリアンの 人が、「ハレ」の食材として、特別な時に、使っていた。 それが、いつの間にか、「Vegan 」の食材として 知らぬ間に、スーパーの棚まで奪っているではないか。 私は、生まれてこの方、肉、乳製品は食べない。 味が嫌い。 とにかく獣臭というか・・・・犬を飼ってからますます 食べなったかも。 じゃあ、魚は?というと、 魚も、40くらいまでは、ほぼ食べなかった。 たこ、いか、えび、貝は食べていましたが・・・・ そうです、私は「血」が苦手なのです。見るのも嫌だし 触るのも嫌。 料理の先生のくせに、魚をさばくことにも非常に抵抗がある。 いかも、目が嫌で、さばきたくはない。 じゃあさぞかし、ヴィーガン食材が出現して嬉しいかって? それが違うのです。 精進料理は、私はアリだと思うし、好きなのです。 「殺生をしない」ということで、000もどき料理を 僧侶たちが楽しむのは、微笑ましいくらいに感じている。 「それは、完全な偏見!」 「ホールフードを提唱するなら、なんでも食べなさい」 「野菜や穀類だって、しゃべらないだけで、命あるものよ!」 「それは食べて、肉食べないってどうなんだよ」 ハイ、すみません。おしゃる通り。
添加物いっぱいのヴィーガン食材を求める人って どんな人なんだろう? 宗教上の戒律の方は、許す? アレルギーの人は、許せる? 畜産の環境負荷や汚染から ヴィーガンになる人も最近、インテル層で増えている。 久しぶりに会ったフランス人の友人は、 田舎暮らしを始めてヴィーガンに転向したという。 そうなんだ・・・・と思ったら、しばらくして会ったら 「いや〜レパートリー尽きて、もう飽きてしまい、やめました」と。
肉食の環境負荷から、代替肉まで流通している。 私は、添加物入りヴィーガン食材もこのチームだと思っている。 主義主張はあれど、結局、肉っぽいもの食べたいだけなんじゃないのか? 肉が悪いとは私は思っていない。 食べ方や量。選び方が問題。 ましてや、日本の畜産の問題、輸入飼料に頼り、等級制度により 脂身の多い肉を無理無理作ろうとすること。 大量飼育による抗生物質の多用・・・・・そういうことを 真剣に考えて、代替肉やヴィーガン食材を作っているのだろうか?
宗教とアレルギー以外の人は、カロリーやコレステロール云々に かかわらず、もしもヴィーガン食を食べたいなら、野菜や穀類、 豆腐、ソイフードなどをちょいと工夫して食べてほしいと願う。 私は、小さい頃から、肉乳製品が嫌いだったからこそ、 工夫するようになり、そのおかげで、料理家としての今がある。
昨日のヴィーガンチーズ、二度と使わないと思う。 添加物の前に、美味しくない。しかも本物のチーズより高い。 それがヴィーガン食材を選ばない、理由です。
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